家計簿、つけたのに不安

※この記事は、夫が自分の経験をもとに書いています。

家計簿をつければ、不安は少し小さくなる。

そう思っていました。

毎月いくら使っているのか。

何にお金を使っているのか。

どれくらい残っているのか。

それが分かれば、少しは安心できるはずだと思っていました。

実際、最初は少し安心しました。

今までなんとなく見ていたお金の流れが、数字として見えるようになったからです。

でも、しばらく続けているうちに、別の疑問が出てきました。

この金額は、多いのか。

少ないのか。

このままでいいのか。

見直した方がいいのか。

家計簿をつければ答えが出ると思っていたのに、答えは出ませんでした。

記録はできた。

でも、判断ができない。

家計簿をつけたのに、不安が消えなかった理由はそこにありました。

見えたのに、分からない

家計簿をつける前は、お金の流れが見えていませんでした。

だから不安でした。

では、見えるようになれば不安は消えるのか。

最初はそう思っていました。

でも、実際には違いました。

食費。

通信費。

保険料。

日用品。

単身赴任先の生活費。

数字は並びます。

でも、その数字を見ながら思いました。

これは高いのか。

これは普通なのか。

これは我が家にとって必要なのか。

数字が見えたことで、安心した部分はあります。

でも、見えたからこそ気になることも増えました。

ぼんやりしていた不安が、具体的な数字になって目の前に並び始めたのです。

家計は、ひとつではなかった

当時の我が家は、少し特殊な状態でした。

私は仕事の都合で単身赴任中。

妻と子どもたちは、私とは別に暮らしていました。

つまり、家計はひとつではありません。

家族が暮らす生活費。

単身赴任先での私の生活費。

二つの生活が同時に動いていました。

どちらも必要な支出です。

無駄遣いをしているつもりはありませんでした。

でも、必要な支出が二つの場所で発生すると、家計全体は見えにくくなります。

家族の生活費だけを見ても足りない。

単身赴任先の生活費だけを見ても足りない。

両方を合わせて、初めて我が家の家計になります。

その合計を見た時に、また不安になりました。

これは大丈夫なのか。

住宅ローンを返しながら、この生活を続けられるのか。

子どもたちが成長したら、もっとお金がかかるのではないか。

家計簿をつけたのに、不安が消えない。

その理由が少しずつ分かってきました。

私は、記録していただけで、まだ判断していなかったのです。

家計簿は「記録」、でも「判断」ではない

家計簿は大事です。

お金の流れを見えるようにしてくれます。

何に使ったのかを残してくれます。

使いすぎた月にも気づけます。

でも、家計簿だけでは判断できません。

食費が高い。

でも、それは高すぎるのか。

それとも、子どもが3人いる我が家では自然な金額なのか。

保険料が高い。

でも、減らしていいのか。

それとも、今の家族構成では必要なのか。

通信費が高い。

でも、それは無駄なのか。

それとも、離れて暮らす家族との連絡や、子どもたちの安全を考えると必要なのか。

数字だけを見ても、すぐには答えが出ません。

大切なのは、その数字をどう判断するかでした。

家計簿をつけているのに不安が消えなかったのは、記録することと判断することを、同じだと思っていたからかもしれません。

記録はできるようになった。

でも、判断する力が足りなかった。

そこに気づいた時、次に必要なのは家計を分析することだと思いました。

平均と比べて、ようやく見えたもの

家計を判断するために、我が家の支出を平均と比べてみることにしました。

もちろん、平均が正解ではありません。

家族構成も違います。

住んでいる地域も違います。

単身赴任の有無も違います。

それでも、何か基準がなければ判断できません。

我が家の食費は高いのか。

通信費は多いのか。

保険料は重すぎるのか。

住居費は家計に対してどれくらいの割合なのか。

ひとつずつ比べていくと、少しずつ特徴が見えてきました。

すぐに見直せそうなもの。

簡単には判断できないもの。

高いけれど、家族にとって必要なもの。

平均と比べることで、我が家のお金の使い方が少し立体的に見えるようになりました。

減らせばいい、ではなかった

家計を分析すると、「高い」と感じる項目が出てきます。

でも、高いからといって、すぐに削ればいいわけではありませんでした。

たとえば食費。

子どもが3人いて、妻が日々の食事を作ってくれている。

家族の健康や日々の暮らしに直結するお金です。

ここを無理に削れば、家計は軽くなるかもしれません。

でも、暮らしは苦しくなるかもしれません。

保険も同じです。

高いからすぐに解約する。

そう決めるのは怖いと感じました。

なぜ入っているのか。

本当に必要なのか。

必要なら、どれくらい必要なのか。

そこを考えずに削るのは違うと思いました。

通信費やサブスクも同じです。

一見すると削れそうに見える。

でも、家族で使っているものもあります。

離れて暮らしているからこそ、必要だと感じるものもあります。

家計を整えることは、単に支出を減らすことではありませんでした。

何を減らすか。

何を残すか。

何を大切にするか。

そこを考えることでした。

我が家の家計には、我が家の理由がある

家計を分析して分かったことがあります。

我が家の支出には、我が家なりの理由があるということです。

単身赴任だからかかるお金。

子どもが3人いるから必要なお金。

家を買ったから増えるお金。

家族で使っているから残したいお金。

これから猫と暮らすために準備したいお金。

もちろん、見直せるものもありました。

でも、すべてを平均に合わせる必要はありません。

平均より高いから悪い。

平均より低いから良い。

そういう単純な話ではありませんでした。

大事なのは、我が家にとって納得できる使い方かどうか。

そして、将来も続けていける形かどうか。

家計簿をつけただけでは、そこまでは見えませんでした。

分析して初めて、自分たちのお金の使い方を考えられるようになったのです。

不安は、消すより形にする

家計簿をつけても、不安は完全には消えませんでした。

でも、それは失敗ではありませんでした。

不安があるから、見ようと思えました。

分からないから、調べようと思えました。

このままでいいのかと思ったから、分析しようと思えました。

家計簿は、不安を消す道具ではありませんでした。

不安を判断できる形に変える道具でした。

もし家計簿をつけているのに不安が残っているなら、まず一つだけ支出を選んでみてもいいと思います。

食費でも、通信費でも、保険でも大丈夫です。

その金額が多いのか少ないのかではなく、我が家にとって納得できる支出なのか。

そこを考えるだけでも、家計簿はただの記録から、判断するための材料に変わっていきます。

記録するだけでは足りない。

我が家に必要だったのは、家計を分析して、暮らしの中で何を大切にするかを考えることでした。

そしてその先に、もう一つ大きな気づきがありました。

守りたかったのは、お金ではなく暮らしだった。

次は、そのことについて書きます。

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